1975年5月18日生まれ。福島県出身。
大学卒業後に演劇に目覚め小劇場を中心に役者としての活動を開始。
役者、脚本家、演出など多方面で活躍。
北野武監督「アウトレイジ」に加瀬亮さん演じる大友組 石原の舎弟役として出演。
流暢な英語でのセリフをしゃべり、顔に似あわぬ存在感ある役を好演する。
現在は演劇界の直木賞「岸田戯曲賞」をとるであろうと言われている
天才演出家、谷賢一さんの率いる劇団「DULL-COLORED POP」の看板役者。
一方、「図書館戦争」や「阪急電車」などを執筆されている
有川浩さんの主宰する演劇ユニット「スカイロケット」にも
客演として第一回公演の「旅猫リポート」に出演。
有川浩さんの書籍「シアター」「シアター2」に登場する劇団「シアターフラッグ」の役者、
黒川、泰泉寺のモデルは自分かなと思っている。
NHKラジオでのラジオドラマ「旅猫リポート」への出演も決まり、今、注目の役者の一人である。
http://www.oharakenji.com/
NHK オーディオドラマ 青春アドベンチャー
『旅猫リポート』(全10回)
原作・有川浩
2014年3月31日(月)〜4月4日(金)午後10時45分〜午後11時(1‐5回)
2014年4月7日 (月)〜4月11日(金)午後10時45分〜午後11時(6‐10回)
NHK FMにて
詳しくは
http://www.nhk.or.jp/audio/
【出演情報】
DULL-COLORED POP 第14回本公演
『河童』
作・演出: 谷賢一
原案: 芥川龍之介
2014/7/18(金)〜7/27(日) @吉祥寺シアター
DULL-COLORED POP ホームページ
http://www.dcpop.org/
ヤクザ社会の熾烈な抗争を衝撃的な映像で描き、大ヒットを記録した、
北野武監督の「アウトレイジ」。
出演者全員が悪人。誰が敵で味方かもわからない。
巨大な権力を手に入れるため血で血を洗う抗争が繰り広げられる傑作映画!
出演する役者も有名な方ばかり。
そんな豪華出演陣の中に、ひとり気になる役者が出演していた。
アウトレイジでは加瀬亮さん演じる大友組 石原の舎弟を好演した大原研二さんである。
よく見ると至るところに出演している。
そしてセリフも日本語だけでなく英語のセリフもある。
印象的だったのがカジノの上がりを掠め取っている加瀬さん演じる石原に
「俺にも分け前をよこせ」と言うところが印象深かった。
それと最後、石原と共に山王会の会長の別荘に襲撃に行くところである。
興味を持たれたかたはご覧いただければすぐにわかると思う。
大原研二さんとの出会いは「シアトル劇団子」が公演を控え、お稽古をしている時に遡る!
2011年。当時、まだ誰も見ていない面白いアニメがないかといつも探していた。
ふらふらっと入ったTSUTAYAでそのタイトルに出会う。
「図書館戦争」。
登場するキャラクターたちとストーリーの面白さ。その魅力にハマり、全巻一気に見た。
そして表記されているテロップを見てアニメ「図書館戦争」に原作者がいることに気づいた。
小説家の有川浩さん。
それからは有川さんの書かれた本をむさぼるように読んだ。その時に出会ったのが「シアター」シリーズ。
ネットで調べた所、モデルになった劇団があるというではないか。
そして、その劇団が「シアター」を上演し、すでに公演が終わっていた時だった。
昔、会社の先輩にお芝居に連れて行ってもらって始めてみたお芝居の公演で演劇の魅力にハマった。
休みの日は家でごろごろしている自分が、面白い劇団があると聞けば、その舞台を観に行くようになった。
演劇集団キャラメルボックスの公演「きみがいた時間 ぼくのいく時間」を観劇し、
間近で上川隆也さんのお芝居出の演技をみて不覚にも泣かされてしまった40前のおっさんである。
小説「シアター」が面白かったので舞台はみたかった。
それを見逃すってなんて運がないんだと思っていたら「シアター」を公演した劇団がもうすぐ新作をやるという。
出演する役者をみるとアウトレイジに出演していた役者、大原研二さんがいた。
これは観に行かなければならないと思い当日券を購入し観劇する。
そのときの大原さんの印象は全くアウトレイジで演じていた役とはとは違い
完全に別の役になりきって演じている。人に何かを伝えられる演技をする役者ってやっぱりすげーなぁと思った。
舞台が終わると出演された役者たちが入口でお客さんに挨拶をしていた。
その中に大原さんがいた。
話しかけてみたいと思っていたが小心者のヨウメイはこのとき全く話しかけることが出来なかった。
しかし神様はヨウメイを見捨ててはいなかったのである。
次回公演のチラシに劇団員とスタッフを募集していると告知が出ていた。これは受けなければならないと思った。
そうすれば大原さんに会えるチャンス!!!
そして、劇団子にはもう一人有名な方がいた。
「図書館戦争」の柴崎役や「ルパンⅢ世」の峰不二子の声を担当する人気声優の沢城みゆきさんである。
これはスタッフになれば間違いなく会える。
そんなよこしまな思いを抱き劇団のスタッフに応募するため履歴書を送る。
受かんないだろうなと思っていたらなんと合格。
これで大原さんや沢城さんにあえると思って入ってみると…
驚くべきことがわかる。
大原研二。退団!
大原さんが入れ違いで劇団を辞めていた。
最悪である。
様々な役を演じる大原さんは役に向き合う姿勢も真剣で、演出と絶対にもめている。
もしかすると殴り合いの喧嘩をしているのではないか?これは絶対にいい映像が撮れると思っていた。
劇団に来た目的がはやくもひとつ消えた。
もう大原さんと話しをすることはできない。
それからはただひたすら劇団のお稽古を撮影し編集する日々が続いた。
ある日のお稽古の撮影にふらふらいった時、そこにアウトレイジがいた!!!
大原研二がそこにいる!!
近寄りがたいオーラを出しながら稽古を見ている。
え、なんでいるのと思い周りの劇団員の人に聞いたら、
「退団したが後輩のことが気になるのでお稽古を観に来た」とのこと。
あれ、見かけによらず意外といい人なのではと思った。
そして、お稽古終わり飲みに行くとのこと。
やはり神様はヨウメイを見捨てず、優しく微笑んでくれた!!
これはついて行かなければならない。
このチャンスをモノにしない奴はただのあほである。
当然、どあほな福岡はなんの迷いもなくついて行く。
居酒屋につきアウトレイジ大原研二さんに恐る恐る自己紹介をする。
「あの、福岡ヨウメイと申します。劇団の撮影をしています。」
「あ、ああ、噂で聞いています。面白い方ですね。」
知ってくれていた!!
さらにたたみかけ、劇団に来たよこしまな福岡の思いを話すと大原さん、大爆笑。
その時に大原さんがいろいろ面白いことを教えてくれた。
そして配信を始めようと決めたときゲストでお招きしたいと思いオファーを出した。
すると、大原さんから
「企画書を読んでから考えますと言う返事が返ってきた。」
すぐに企画書を作成し送る。
ダメかなと思っていたら、面白そうだからやってみましょうとの返事が!
これは以前お会いした時に聞けなかったことが教えて貰える!
大原研二さん 1回目
大原さんにはどうしても聞かなければならない事がひとつあった。
それは有川浩さんにどのような思いがあり大原さんがもの申しにいったのかということである。
後輩の稽古を見に来た事がきっかけで、運良く大原さんと出会うことができたヨウメイ。
ただおいそれと話しかけていいのかという思いはあった。
劇団員の人から、昔、どうしても演出について納得がいかなかった劇団を
つぶした事があるというアウトレイジな一面も備えている
恐ろしい人であるということを冗談めいて聞いていた。
とんでもない武闘派の人に違いないと勝手に思い込んでいたのだが
話してみると全く違う。
とても温和で、映画の話や演劇のことにとても詳しい。
ただ、大原さんが劇団を辞めている事は撮影に入るまで知らなかったので
その件にに関してはとても残念なことであった。
僕がいなくなった後、何が目的なんですかと聞かれたので
素直に劇団がつぶれるところを撮影すると面白いと思って参加していますと伝えたところ
大原さん大爆笑である。
そして、そんな人が内側にいるなら劇団も頑張るでしょう。
楽しみですとなんやら楽しげである。
てっきり激怒されるのかなと思っていると予想外の反応が返って来たのであった。
それもそのはず、会話の最中も大原さんはヨウメイにいろいろ教えてくれつつも
後輩に役者としての考え方や演技に対する心構えを教えていた。
現場の空気を読むことは下手だが、ひたすら人の顔色ばかりを
伺ってきたヨウメイ。
大原さんの面倒見の良さがちょっと垣間見えた瞬間であった。
ただのイケイケどんどんの役者ではなく、常に周りの事を
考えているのがよくわかった。
ただ、劇団の作品としてヨウメイは「シアター」は今ひとつ面白くないと
思っていた。
原作はとてもオモシロイ。出版された脚本も面白かったにも関わらず
DVDで見た「シアター」は今ひとつであった。
演劇をナマで見るのとDVDで見るのとは違うのは解っていた。
DVDで編集された作品を見たから面白くなかったのか?
見たいところが編集のせいで見れていなかったこともあるのか?
なんかちょっと思っていたものとできが違う感じがしていた。
そこで、飲んでいる時に大原さんに「シアター」のDVDがイマイチで
何かちょっと違うんですということを思い切って聞いてみた。
すると
「いや、実は制作段階でいろいろありまして…」
なんだか思うことがありそうだと感じた。
そして大原さんに聞くべきことだと直感でそう思った。
なぜなら、間違っていることをずけずけとはっきり言う人であるということは
これまで話をしていて感じていたからである。
「お稽古の最中に、有川さんに相談にいったことがあるんですよ!」
「え、なんですか?有川さんにもの申しにいったんですか?」
なんてこの人はすごいことをするんだと思った。
普段、ながいものにまかれる事が身上のヨウメイ。
大勢の人がいるところでは自分の意見が言えた事がない。
それは、自分の考えが間違っていることが多いから
これほんまにここで言うてええんかを常に考えているうちに
言うタイミングを逃してしまうどんくささも考慮してほしい。
ただ、ヨウメイは意見を言うと常にずれている事がおおいのでよけいに
気にして言えない事も付け足しておく。
人の話をきいて、オモシロイ的確なことをいう。
それは最も苦手である。
大原さん、やっぱり言わなければならないときは
自分の意見をちゃんということできる人なんだとあらためて思った。
ただ、どうして大原さんが有川さんに相談に行ったのか、ずーっと聞きたく思っていた。
それは、劇団で撮影を続けていたとき、なぜか有川さんの事を聞くとみなさん教えてくれない。
それもそのはずである。
劇団がつぶれるところを撮影したいとほざいている輩にそう簡単に教えてくれるはずもない。
それに、演劇のことを全く知らないということもあったかもしれない。
ただ、有川さんと共同で制作し何かあったのであれば
言いに行けば聞いてくれる方じゃないのかとも思っていた。
なんか言いたいことあれば言いに行けばいいんじゃないですか?
代わりにヨウメイが文句言いに行ってきましょうか?
ドアホは怖いもの知らずである。
ヨウメイがそうきいたら、頼むから止めてくださいと止められる。
ただ、どうしても聞きたいことがあった。
自分のチャレンジしたことのないことに、チャレンジする時に
怖さとかなかったのか?それでもし、失敗したらということは考えなかったのか?
背負っているものが多くあるのになぜ、自分の土俵でない場所に挑んでいけるのかを。
あとは有川さんが劇団を見に来られた時に撮影するチャンスを伺い
突撃するのみである。
そしてその機会を狙っていたとき、一枚のチラシを見てしまった。
第三舞台の解散公演「深呼吸する惑星」である。
いつ来られるかわからない有川さんを待ち続けるかここで一休みするか
10秒考え、待ち続けるよりか休憩をと思い紀伊国屋ホールへと向かう
どあほである。
ふらふらと行って当日券を手に入れたらめっさ運がよく一番前の席が当たってしまった。
間近で長野里美さんの笑顔と筒井真理子さんのエロい演技と
筧利夫さんと大高洋夫さんのやり取りに抱腹絶倒となり呼吸困難になりかけた。
観たことがないものを観たことでまた元気をもらい、また有川さんを待ち続けた。
しかし、結局インタビューを撮影することはできなかったのである。
所詮映像として残すことができなかったただのゴミである。
劇団の撮影を通じて、役者が演出家や脚本に対していろいろ言うことは
結構大変なことなんだということがよくわかった。
それなのにも関わらず、大原さんが有川さんに相談に行くって相当勇気が
必要だったに違いないと思った。
その行動力はどこからでてくるものなのかどうしても教えてもらいたいと思った。
だから大原さんに聞いてみた
「大原さん、有川さんにもの申しに行くって相当勇気いりますよね?
そして行こうと思った理由って何だったんですか?」
「それはシアター!の作り方が僕が思うコラボレーションの在り方と違うことも
大きな要因になってる。だから有川先生が今回のコラボレーションを
どう感じているのか知りたい。」
大原さんには確固とした信念があった。
大原研二さん 2回目 前編(17分)
大原研二さん 2回目 後編(13分)