ちょっと普段の配信とは違いますが
近日思ったこと書いてみたいと思います。
熊本のボランティアセンターで出会ったスタッフの方々。
熊本でのボランティアでヨウメイが思ったこと
漆黒のワゴンタイプのベンツがやって来た。
中からちょっと厳ついお父さんが出てきた。
「にいちゃん、この車に一輪車を詰めてくれ!」
聞き間違いではない。
ヨウメイに指を詰めろではなく、一輪車を詰めてくれと
頼まれたのであった。
「昨日、土のう袋300個を手運びで運んだら
めっさ大変やってん。
他の人も助かると思うからよろしく頼むわ!」
「来た仕事の依頼はよっぽどのことがない限りは断るな」
と加藤鷹さんに教えて頂いたヨウメイである。
「わかりました。何とかします。」
通称ネコと呼ばれるタイプの一輪車。
しかも泥だらけの一輪車を
ベンツに積み込むミッションがヨウメイに与えられたのであった。
ワゴンタイプのベンツの後部、リアハッチを開く。
ちょっと厳ついお父さんがボランティアのため
持って来られたハンマーやバールなど
仕事道具が積載されていて、
とても一輪車を積み込めないことが瞬時にわかった。
「これ、一輪車を積むにはリアシートでないと無理ですね。
もし、積み込む時に大切なベンツにキズがついても大丈夫ですか?」
何か起こったときのためにエクスキューズは投げてみる。
「大丈夫だ。ベンツのキズは金で直せる。あんちゃんよろしく頼むわ。」
「わかりました。では遠慮なく。」
さすがに泥だらけの一輪車を後部座席に
詰め込む訳にはいかない。
せめて、一輪車についている泥がシートにはつかないように
ブルーシートで後部座席を覆う。
「では一輪車詰め込みます。」
一輪車の取っ手を持ちあげ
頭からベンツの後部座席に突っ込む。
ゴリ、ゴリ、ゴリゴリゴリ。
早速ベンツのルーフにキズをつけてしまうヨウメイであった。
「すみません。ルーフのところにキズが…」
わざとやったのではない。
「あんちゃん、気にするな、もうちょっとで一輪車のりそうや。
続けてくれ。」
神様降臨の瞬間であった。
「わかりました。」
ゴリゴリゴリ。
ベンツのキズがさらに広がる。
「リアウインドウを下げて頂いたら何とか乗せれそうです。」
「ちょっとまっとれ。」
リアウインドウが下がり、
その瞬間を見計らって後部座席に一輪車を押し込んだ。
ベンツの助手席の後にも泥がつく。
しかし、後部座席には一輪車が鎮座した。
「ベンツにキズつけてしまってスミマセンでした。」
「あんちゃん、ありがとう。
これで他のボランティアさんも助かるわ。」
とだけ言い残し厳ついおっちゃんは颯爽と
被災者のところへと向かったのであった。
トイレの神様ではなく、
ベンツの神様と出会った瞬間であった。
ヨウメイが今回、熊本にボランティアに行ったのは
このメディアを始める2年前、熊本に坂口恭平さんに
もの申しに行ったことが大きい。
そのとき、見た熊本がどうなっているのか。
何かできることがあればお手伝いできればと思ったのがきっかけである。
オレオレ詐欺ではないが、
ヨウメイがおしかけボレンティアをして思ったことに
少しお付き合いくださいませ。
熊本の震災があってから1ヶ月半が経とうとしていた。
震災直後、直ぐに行かなければと思ったのだが、
ボランティアの数が多いだろうと思って
減って来てから行動を起こした。
熊本市内の現状を何にも知らないままバスで熊本駅に到着。
まず向かったのは
テント泊ができるボランティアの受け入れ場所。
事前に熊本に滞在する宿泊日数を予約していたのである。
テント泊ができるボランティアの受け入れ場所に到着し、
受付へと向かった。
料金を払おうとすると、
宿泊日数分前払いでお願いしますとのこと。
しかも、1泊500円と思っていたら、
場所を借りるのに500円でテントは別料金で
500円かかるという。
「途中でキャンセルするとどうなるんですか?」
と聞くと
「返金は一切できません」との答えが返ってきた。
ボランティアを受け入れていながら
お金をとる。
収益金は募金として寄付するとあるが
どうも怪しい。
限りなく透明に近いブルーではないが
限りなくクロに近いグレーである。
何だかボランティア受け入れ先の空気がおかしい。
予定外の出費ではあるが他に宿泊のあてもないので
お金を払ってしまった。
ボランティアの受け入れ先でも
ボランティアを募集しているが
正午過ぎについたこともあり本日の案件は終了していた。
ただ、先にきていたボランティアの方々が
受け入れ場所で活動している。
何かを作っているようである。
しかし、なぜか手伝う気には全くなれないヨウメイであった。
全く復興とは関係のないことを
ボランティアを使ってさせているように思ったからである。
ということで熊本市社会福祉協議会が行っている
花畑広場のボランティアセンターへ向かうことにした。
チャリが無料で借りられるということですぐに手にいれ
ボランティアセンターの会場へと向かう。
途中、熊本城があったので、
興味がそそられ寄り道をするのであった。
熊本城の下にある神社は石垣が崩れてきて
完全に倒壊している。
城門の入り口にも石垣が崩れ当然のこと
城内に入ることはできない。
地震が起こってから何も手つかずの
ままのような気がした。
おしかけボランティアに来ていながら
ボランティア活動ができるか不安になるヨウメイであった。
ようやく花畑広場へ着くとテントが張られ
ボランティアの人達がいた。
どこで受付をしているのかと思って
周りの人に聞いてみると中央のテントの
ところへ行けば担当の方がいるので教えてくれるとのこと。
果たしてひげ面のおっさんを受け入れてくれるのだろうか?
恐る恐るテントへ向かうヨウメイであった。
「あのう、売名行為でボランティアに来たんですけど…」
「あ、ボランティアにいらっしゃったんですか?(熊本イントネーション)」
「ええ」
低姿勢で答えるヨウメイ。
「どのくらいの期間いらっしゃるんですかね?(熊本イントネーション)」
「いまのところ一週間ほどを予定しているんですが。」
「それなら、明日から運営やって頂けませんかね?」
「え 運営ですか? それって現場にでれるんですか?」
「いえ、ボランティアに来られた方に
被災者の方から来た依頼を紹介するマッチング担当になるので
現場には行けないかもしれませんが大丈夫ですか?」
「わかりました。自分でよければお願いします。」
先に来た依頼は受けるヨウメイである。
「それではちょっと朝、早いですが7時30分にココに来て下さい」
「え、7時30分ですか?」
「ボランティアの受け入れが9時からになっていますので」
「わかりました。」
テントへ戻る途中考えた。
運営なんてやったことがないので、
そんなことができるのか分からないからである。
ボランティアで来た人に、紙面上だけの知らないボランティア案件を
紹介しなければならないとっても重要な任務である。
果たしてヨウメイにできるのであろうか?
受けたミッションはこなさなければならないのである。
できなければクビでいいやと直ぐに開き直ったのである。
テントがある所へもどるとボランティア活動をしていた方々が
戻ってきていた。
明日のためにそのイチ。
携帯電話を充電していると声をかけられた。
「明日、どこでボランティアをされるんですか?」
「花畑広場で行われている所に行こうと思っているんですが。」
「あそこ私には合わなかったんですよね。」
「どうしてですか?」
「ボランティアに行っても1時間ぐらいで終わってしまって
やりがいがないんです。」
この人、ヨウメイ以上にどあほだと思った。
二度とこの人とは口をきかないと心のATフィールドを閉じたのであった。
さらに重ねて教えてくれる。
「ボランティア受付で並んでも、人数に達すると断られてしまうんですよ」
救いようがないと思った瞬間である。
そして、他の方々も花畑広場で行われているボランティアの時間が
短いだの、内容が簡単だのいろいろなことを教えてくれるのであった。
それを聞いて、本当に運営のボランティアに参加してよいのか正直迷った。
なんと心の弱いヨウメイである。
しかし明日、7時30分に行くと答えてしまったので
いまさら逃げることはできないのであった。
明日は時間通りに行かなければならない。
その為には、交通費を節約するためにも
チャリが必要である。
宿泊所の受付で明日の朝、6時30分に自転車を借りたいのですが
大丈夫ですかと聞くと、
大丈夫との返事が返ってきた。
この言葉を鵜呑みにしてしまったどあほなヨウメイである。
このことにより、ヨウメイはボランティア初日から
やらかすこととなるのである。
明日は早いので寝ることにする。
シェルパ斉藤さんのところの竪穴式住居で寝て以来の
テントでの宿泊である。
そして、テントで寝るのに寝袋を持ってきていないことであった。
家をでる30分前に荷造りをしたため、
いろいろ必要なものを
すべて家に忘れてきていたのであった。
唯一持ってきた寒さ対策は長袖1枚のみである。
6月上旬の熊本の夜を完全になめていた。
これでは夜、冷えると寝ることができない。
しかし、そこは多摩川のろびんそんさんに教えて頂いた
ことが思い出された。
寒い中、外で誰でも寝る方法である。
ダンボールで体の周りを囲い新聞紙を体にかければ
寒さをしのげるということである。
最近スーパーでは袋の料金をとる代わりに無料でダンボールを
提供してくれることを知っていたヨウメイである。
ボランティアセンターからの帰り道に
スーパーで大量のダンボールが置いてあったのを
遠慮なく頂いていたのであった。
しかし寒すぎて寝ることができない。
竪穴式住居ではたき火があったため寝ることができたのであったが
テントの中では火を起こすことができない。
そして集めてきたダンボールの数が少なかった。
多摩川のろびんそんさんに教えて頂いていた量ではなかったのである。
布団として体の下に敷くには十分な量ではあったが
体の周りを囲う分には十分な量ではなかったのである。
寒い。
テントの中ではあったが夜中に何度も目が覚めた。
明日、新たなダンボールを補充しなければならない。
それなら寝袋を買えとお思いになる方もいるとは思うが
金は払えんのである。
朝、6時30分に目が覚め、受付を訪れると
誰もいない。
やられたと思った。
昨日、確認をしたにも関わらず受付の人がいないのである。
ヨウメイのした確認など、誰も知らないのである。
平気で嘘をつく受付。
クロだと確信した瞬間であった。
やられたと思ったが早く出発しなければ約束の時間に間に合わない。
歩くと1時間30分以上かかるが仕方がない。
行って謝るしかない。
ボランティア初日からの遅刻であった。
約束の時間も守れない最低のボランティアである。
宿泊していたところから歩き始めて30分。
運がいいことにバス停を発見。
時間を確認すると3分後に来る。
運がいいと思ったが、遅刻は変わらない。
ボランティアセンターに着いた時間は
7時45分であった。
藤原喜明組長を怒らせた教訓が今回も
いかせなかったのである。
藤原組長すみません。
まだ成長できておりません。
「初日からスミマセン。遅刻しました。」
「大丈夫ですよ。気にしないで下さい」
気にします!!!!
「それではマッチングの方、説明しますので
一度、後ろについて見ていて下さい。」
何事もなく受け入れてくれたのであった。
9時になるとボランティアの方々が会場に入ってきた。
「おはようございます。」
ひげ面のヨウメイが迎え入れるのであった。
うさんくささ120%。
怪しさ1000倍である。
ボランティアの中にヒゲを生やしたドンガバチョが一人いるのである。
やるなブライトではないが、やるな熊本市!
このポジションによくヨウメイを配置したなと思った瞬間であった。
担当の方の後ろについてマッチングの流れを確認する。
最初に行うのが被災者からの依頼内容の確認。
依頼されている人数を来ているボランティアの中から集め、
案件を説明する。
そして資材を渡して被災者の所へと送り出すのである。
担当のひとの後ろについて見ているとできるかなと思うが
一点引っかかるところが。
災害ゴミの出し方が全く分からない。
何を説明しているかどあほなヨウメイには理解することが
全くできなかったのである。
これはまずい。
人に説明することができない。
そう思っていると、
「じゃ、次、ヨウメイさんやってみましょうか?」
まじっすか!?
まだ、全然何も分かってないですが…
「では、この案件 お願いします。」
「わかりました。」
失敗は決して許されないのである。
それでも失敗するのがヨウメイである。
案件の内容を理解して人を集めるまでは良かったが、
そこからボランティアからいろいろとツッコまれまくること。
「場所は熊本のどの辺りですか?」
来たばっかりで分かりません。
「バスで行くとどれぐらいかかりますか?」
バスが多すぎてまだ時間と行き方が調べられておりません。
「ゴミはどうするんですか?」
キター!!!!!!
「まだ理解できていません」
と決して答えられないのであった。
突っ込まれることが多すぎて
説明できると思っていたことが全くできない。
担当した組を送り出すのに時間がかかりすぎてしまった。
そして知っているふりをしてしゃべってしまった
とても最低なヨウメイである。
解らない方のために偉そうに解説することにする。
ボランティアセンターで行われているボランティア活動は
時間が決まっているのである。
つまり9時から受付をしてから
16時には必ず終わらなければならないのである。
ということは送り出す時間が遅れれば遅れるほど、
被災者の方のところを訪れてからの活動時間が短くなってしまうのである。
ということは、マッチングという部署には正確さとスピードが求められるのである。
そして何よりも想像力が必要とされるのである。
なぜ、想像力が必要かというと被災者の方の情報が少ないため、
ボランティアを行うにあたり、危険性や、資材、起こりえる事故等
をイメージでき説明できなくてはならないからである。
優先されるのは被災者の方の生活が日常に戻ること。
そして、ボランティアで参加された方が事故なく戻ってくることなのである。
そのために頭をフル回転させなければできない部署なのであった。
最初送り出した方では突っ込まれすぎて
迷惑をかけてしまったヨウメイである。
しかし、次はないのである。
突っ込まれるところが解ればそこをつぶしていけばいいのである。
そのことに気づいた。
そして、経験されている方の情報を聞き出すことができれば、
想像することができる。
それができればうまくできるのではないかと思った。
それならお話を聞くことにしてみようと思ったのである。
先に来ているボランティアの方々に時間をいただいて
お話を聞くことにしたのである。
するといろいろなことがわかったのであった。
やはり、事件は会議室で起きているのではなく、
現場の声が大事なのであった。
書類上ではわからないことを教えて頂いたのであった。
ボランティアで時間が短いだの、案件が面白くないなど
とんでもないお話である。
ボランテイアに行かれた人のお話を聞いてそう思ったのである。
人の話だけを聞いて、真実が見えていなかったため
簡単に心が動いてしまった売名ボランティアのヨウメイであった。
なんのためにボランティアに来られているのかを
もう一度よく考えられた方がいいのである。
そして、翌日からボランティアの方に説明する時に
「1時間で終わる可能性がある案件かもしれませんが
行って頂ける方いらっしゃいますか?」
と聞くようにした。
参加してくださるボランティアの方は快くいって下さる。
中には、
「1時間で終わるような案件いけるか!!」
とおっしゃって下さる素晴らしいボランティアの方もいた。
ボランティアの案件を選びすぎて、参加できる案件がなくなって
文句をいいながら参加される方。
そして、「何でもやりますからボランティアさせて下さい」
とおっしゃる方に、トイレ掃除と公園の掃除をお願いしたら
「それはできません」と断られる方。
いろんな方がいらっしゃいますがもう一度
何が大事なのかを考えてみられてはいかがでしょうか?
そして、ボランティアで参加されている方々のなかでも、
自分の車を出してボランティア活動をされる人。
ガソリン代全て自分持ちなのでとんでもない費用がかかるのと
知らない人を自分の車に乗せて移動しなければならないのである。
その方々のことを考えれば、文句は出ないのではないでしょうか?
今回であった中のお一人、トイレの神様ならぬベンツの神様であったのである。
こんなこと書いてますが、ボランティアのやり方に反抗し、
途中で運営クビになったヨウメイのたわごとですので
そこはご配慮ください。
※もう少し修正いたします。